「徳する人」と「得する人」の違いを通して、人間関係の築き方を考察します。誠実に信頼を積む人と、効率的に成果を得る人――両者のバランスが人間関係を豊かにします。
はじめに
私には、めっっっっっちゃくちゃ性格の合わない同僚(先輩A)がいます。
先輩Aとはかれこれ7年ほど同じチームで事業に取り組んでいます。
同じチームで事業を始めるまでは、お互いに利害関係はなく、友達感覚での良い付き合いだったのです、一緒に仕事をしだすと、これがまぁ〜困った。マジストレス(笑)
周囲の人達が口を揃えて言うのは、私と先輩Aは性格が真反対。
お互いストレスフルな日々。ストレスが積もる積もる。
「塵も積もれば山となる」とは言いますが、もう山を越えて火山噴火で火山灰となり・・・グレーな関係です。
どうすれば、ストレスを感じつつも一緒に事業を進めていけるか、ずっっっっっっと考えていました。
二人の性格を分析する中で、ある共通点に気がつきました。
お互い無意識に「とく(徳・得)」を強烈に求め、得意としている。
人間関係の中で、「人のために自然と動ける人」と「自分の利益を優先できる人」に出会うことがあります。
一見、正反対に見えるこの二つのタイプ。
けれども、どちらのタイプも、それぞれの方法で成果を上げながら、共に価値を生み出すことができます。
この記事では、無意識に徳を積むタイプと、得を追うタイプの違いを整理し、
ビジネスでもプライベートでも役立つ人間関係のヒントを探っていきます。
ちなみに、
私が「徳」を積むタイプ、先輩Aが「得」を追うタイプです。
徳する人とは?
「徳を積む」とは、誠実さや思いやりを大切にし、人に与える姿勢を持つこと。
このタイプの人は、相手の笑顔や感謝を“報酬”として感じる傾向があります。
特徴
- 見返りを求めず、相手を思いやる。
- 約束や信頼を裏切らない。
- 公平で誠実な判断を心がける。
徳する人のメリット
- 信頼を得やすい
誠実な対応で、上司・同僚・顧客などから安心感を持たれる。 - 人間関係が安定する
衝突が少なく、長期的な関係を築きやすい。 - チームに安心感を与える
周囲が協力しやすくなり、チーム全体の雰囲気が良くなる。 - 再チャンスを得やすい
一度の失敗で信頼を失いにくく、助けてもらえる環境が生まれる。 - 長期的な成果を生みやすい
目先の利益より信頼を重視するため、持続的な成長や評価につながる。
徳する人のデメリット
- 自己主張が弱く見える
控えめなため、リーダーシップや影響力が伝わりにくい。 - 損な役割を引き受けやすい
断れずに負担が増えることがある。 - 成果をアピールしないため評価が遅れる
上司や組織に貢献が見えにくい。 - スピードより合意を重視しがち
意思決定が遅く、チャンスを逃すことがある。 - 感情的ストレスを抱えやすい
他人を優先しすぎて、自分の気持ちを後回しにしてしまう。
徳を積むタイプの人を端的に表すと、すぐに報われなくても、信頼という“長期的な得”を積み上げる人。
得する人とは?
一方の「得する人」は、損を避け、効率や成果を重視するタイプ。
結果を出すことにエネルギーを注ぎ、スピード感を持って動く傾向があります。
特徴
- 損得勘定が得意で、判断が早い。
- 成果・効率・結果を明確に意識する。
- 行動力と競争心が強い。
得するメリット
- 成果を出すスピードが速い
即断即決が得意で、ビジネスチャンスを逃さない。 - 交渉力が高い
条件や数字に強く、実利を引き出すのがうまい。 - 会社から評価されやすい
短期的な結果を残すことで、上層部にインパクトを与える。 - リスクを取れる
挑戦を恐れず、行動量が多い。 - 目標達成意識が高い
成果にコミットできるため、周囲を引っ張る力がある。
得する人のデメリット
- 打算的に見られやすい
「自分の得しか考えていない」と誤解されることがある。 - 信頼関係が薄くなりがち
短期成果を優先するあまり、人の気持ちを軽視してしまう。 - チームより個人プレーに傾く
協調性に欠け、孤立するリスクがある。 - 失敗時のサポートが得にくい
信頼の蓄積が少ないため、困った時に助けてもらえない。 - 長期的な視野が持ちにくい
短期的な“得”を優先しすぎて、持続的な成果を逃すことがある。
得するタイプの人を端的に表すと、短期的成果を生み出し、組織やチームを前進させる推進力を持つ人。
徳と得は、対立ではなく補完関係
徳する人が「信頼の土台」を築き、得する人が「成果を引き出す」。
この二つが合わさることで、職場や家庭などあらゆる人間関係は、「長期的な信頼」と「短期的な成果」を両立できるようになります。逆にどちらか一方に偏ると、次のようなバランスの崩れが起きます。
- 徳だけ:良い人で終わり、結果を出せない。
- 得だけ:成果は出ても、人の信頼を失う。
人間関係でも、ビジネスでも、“徳と得のバランス”が、信頼と成果を両立させる基盤と言えます。
まとめ
「徳する人」と「得する人」、
この二つのタイプは、どちらかが優れているわけではなく、どちらも大切な“人間関係を支える力”です。
徳は信頼を生み、長期的な得を育てる。
得は成果を生み、短期的に前へ進める力になる。
私(徳)は、周囲との信頼を重ねながら丁寧に物事を進めるタイプ。
一方の先輩A(得)は、スピードと成果を重視し、交渉の場で強さを発揮するタイプです。
本音を言うと、今でも一緒にいるとめちゃくちゃストレスではありますが、
先輩Aの「得」を見習うことで行動の速さを学び、逆に私の「徳」がチームの信頼や安定を支えていることも実感しています。
お互いの違いがぶつかることもありますが、
その違いこそが、チームを動かし、仕事を前に進めているのだと思います。
“徳と得”の調和を意識することで、苦手な人との付き合い方を見出すヒントにもなり、信頼されながら成果を上げ、人間関係でもビジネスでもうまくいくのだと思います。